第36話 九久津のトラウマ

 「あの子、毎日バカみたいに健康食品を口にしてるでしょ?」

 「あっ、はい。なにかしら食べたり飲んだりしてますね?」

 「堂流はね、バシリスクという蛇属性の上級のアヤカシに殺されたの。その毒はとても強力でね。でも九久津家は堂流を病気で死んだことにしたのよ。それ以来かな、毬緒くんは小さいながらに健康に気を使うようになったって。いまだって堂流は病死だと思っている。いや思い込まされている」

 「じゃあアイツの習慣は」

 「そう毬緒くんもこの街の犠牲者なの。あんなサプリを山ほど摂取したところでバシリスクの毒にはなんの効果もないのにね」

 「九久津もそんな過去を」

 《七不思議製作委員会は生徒を守る》あいつもそういう使命に囚われてるのか?

 俺がなにかの力になれるなら助けてやりたい。

 「ええ。だから美子を縛る使者の鎖も断ち切ってあげたかったの。あの子もずっと使者と生徒の二重生活を送ってきたから。きっと恋なんて感情を知らないままに戦い続けるでしょう……」

 キツいなそんな生活。

 憶測だけどあの性格の変化もその反動で、心のバランスをとるためなのかもしれない。

 「だから私はヨリシロの社長の座を奪って、六芒星の一点、六角第四高校の解体指示をだしたの」

 「それが原因でバランスが崩れたということですか?」

 「そうよ」

 この街の謎がまたひとつ解けた。

 パズルのピースがはまっていく、もうすぐ隠れてる、なにかが見える気がする。

 「そうなると具体的になにが起こるんですか?」

 「憶測でしかないけど真野絵音未、いや、負の死者シシャは美子を殺す。現にいまもうすでに死者がブラックアウトしてる。アヤカシ特有の気配があるの……今回のはとてつもなく強い」

 「じゃ、じゃあ早く止めないと?!」

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